自治体サイトリニューアルのためのチェックリストと最新動向

ホームページリニューアル制作

スマートフォン経由のアクセスが主流となった今、自治体ホームページにも「見やすさ」「使いやすさ」「探しやすさ」が強く求められています。

しかし現状、多くの自治体Webサイトでは「情報が探せない」「画面がごちゃついている」「検索しても見つからない」といった声が住民から寄せられています。

自治体のWebサイトは、住民にとって「最初に触れる行政の顔」。

小さな改善でも、住民満足度や信頼感に直結します。

よくある「見づらい自治体ホームページ」の課題例

現在、多くの自治体ホームページで「見づらい」「使いづらい」といった課題が指摘されています。
特に、スマートフォンの普及や住民ニーズの多様化に伴い、従来の構成や設計では十分に対応できていないケースも少なくありません。

以下に挙げるのは、実際の住民からの声やアクセス分析をもとに明らかになった、見直しが必要とされる共通課題です。
これらに該当する内容がある場合は、早期の構造見直し・リニューアルを検討することが望まれます。

スマホ対応が不十分(文字が小さい/横スクロールが必要)

多くの自治体サイトは、PC表示を前提に設計されたまま運用が続いています。

その結果、スマホからアクセスすると文字が小さすぎたり、画面幅に合わずに横スクロールが必要になったりと、操作性に大きなストレスがかかります。

とくに高齢者やスマホ操作に不慣れな住民にとっては「使えないサイト」と感じられやすい要因になります。

情報が詰まりすぎてトップページが混乱

「お知らせ」「イベント」「緊急情報」「市政情報」など、多くの情報を詰め込みすぎて、トップページが“情報の山”になっているケースが少なくありません。

その結果、利用者は「どれが重要なのか」「自分に関係あるのはどれか」が一目で分からず、結局離脱してしまうことになるのです。

【情報が詰まりすぎている例】

  • バナーが10枚以上並んでいる
  • 見出しの優先順位がない
  • スマホでは情報が縦にだらだら続く

市政情報と生活情報の分類が曖昧

「市長からの挨拶」や「議会だより」といった市政情報と、「ごみの出し方」や「子育て支援」のような生活情報が同じ階層やページ構造に並んでしまうことで、住民にとっては「必要な情報を探しにくい」構造になりがちです。

自治体の立場ではどちらも大切ですが、住民の行動心理に即した「目的別の分類」が重要です。

内部検索が機能せず、誤字や言い回しの違いに弱い

たとえば「保育園」と検索しても「子ども・子育て支援」のページしか出てこなかったり、「ごみ」と検索しても「家庭ごみ」や「粗大ごみ」の情報にたどり着けないなど、検索語とページ内容のズレが大きな問題になっています。

また、「申請」と「届出」など、言い回しの違いに対応できない検索機能だと、住民は早々に諦めてしまう傾向にあります。

色使いや装飾がバラバラで、視認性に課題

文字色・背景色・リンク色・ボタン色などが統一されておらず、情報の階層や重要度が視覚的に分かりづらいサイトも少なくありません。

さらに、自治体の担当者が個別ページを更新する際にWordファイルや画像をそのまま貼り付けてしまい、「どこを見ればいいのか分からない」「デザインがバラバラ」な印象を与えてしまっている自治体サイトも散見されます。

色覚多様性にも配慮し、ユニバーサルデザインやガイドラインをもとに整えることが重要です。

自治体HPリニューアル3つの成功事例(2025年最新版)

多くの自治体が「見やすさ」「親しみやすさ」「使いやすさ」を意識したリニューアルに取り組み、住民からの評価を高めています。

今回は、デザイン性と機能性の両立に成功した自治体サイトを3つ紹介。


スマホ対応、色使い、検索性など、明日から使えるリニューアルのヒントが詰まっています。

渋谷区|誰も来ない庁舎を目指す「わかりやすさ」と「デザイン性」

参考:渋谷区公式サイト

  • 特徴:利用シーン別のカテゴリ導線、わかりやすい色分けと構造
  • 効果:2023年にグッドデザイン賞を受賞、若年層からも高評価
  • 注目ポイント:「目的から探せる」体験設計の先進例

横浜市|スマホユーザーのための「読みやすい」工夫

参考:横浜市公式サイト

  • 特徴:余白とフォントの最適化、レスポンシブデザインの見直し
  • 効果:アクセスの約7割がスマホ経由、滞在時間が向上
  • 注目ポイント:UDフォントや色彩設計でのアクセシビリティ向上

目黒区|検索からの導線を強化し「迷わせない」サイトへ

参考:目黒区公式サイト

  • 特徴:検索精度の強化/表記ゆれ対応/関連ワードサジェスト導入
  • 効果:サイト内検索経由のアクセスが増加、離脱率が低下
  • 注目ポイント:「探すストレスを減らす」検索体験の刷新

見やすい自治体ホームページを実現するための4つのチェックポイント

住民が迷わず情報にたどり着ける自治体サイトをつくるには、いくつかの基本的なポイントを押さえておく必要があります。

ここでは、リニューアルや改善時に必ず確認したい4つの視点を紹介します。

1. スマホでの視認性を最優先に

  • スマホユーザーが6〜7割を占める今、PC設計中心のままでは情報が届かない可能性も
  • ボタンのタップ領域は 44px以上、文字サイズは 16px以上 が推奨
  • 行間や余白を確保し、詰め込みすぎない構成にする

2. 生活シーン起点の情報分類

  • 「子どもが生まれた」「引っ越した」「災害が心配」など、住民の行動や関心から導線を設計
  • 従来の「組織別・制度別」の分類では迷うケースが多い
  • 目的別メニューやQ&A形式を導入すると、初めての訪問者にも親切

3. 誰でも探せる検索機能の整備

  • 「ごみの日」「こども手当」「転入届いつまで?」などの検索語に対応する設計を
  • 表記ゆれ(例:「ゴミ」「ごみ」)や自然文にも強い検索機能が理想
  • サジェスト機能検索ログの分析による改善も重要

4. 色・余白・フォントの統一とアクセシビリティ対応

  • ページごとにバラバラな配色や装飾は、視認性と信頼性を損なう要因
  • コントラスト比(WCAG基準)を守ることで、すべての人に優しい設計に
  • UDフォントの活用で高齢者や視覚に不安のあるユーザーにも配慮
  • バナー・アイコン・PDFレイアウトの統一で「役所っぽさ」を払拭

自治体HPリニューアルの目的は「情報伝達」から「体験設計」へ

これからの時代、自治体ホームページは「情報は載せた」ではもう足りません。

今後は、住民の目的や行動を先回りして設計された「体験(UX)」の提供が求められています。情報が“ある”ではなく、“たどり着ける”ことが何より重要です。

まずはななごーにご相談ください

本記事を通じて、「自分たちのホームページも改善の余地があるかもしれない」と感じられたご担当者さまへ。

ななごーでは、企業や団体のWebサイト構築・情報発信の支援を多数手がけており、住民目線・ユーザー視点に立った設計を得意としています。

ヒアリングから丁寧に伴走し、目的に応じた課題整理と改善提案をさせていただくことが可能です。

「まずは情報収集から」「課題の棚卸しを一緒に進めたい」といった段階でも構いません。

ご相談は随時承っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。