マッチングアプリ開発の進め方と費用感を開発会社が解説【2025年版】

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マッチングアプリを開発したい──

そう考えたとき、まず気になるのは「費用」と「どこに依頼すべきか」という点ではないでしょうか。

とくに、自社でエンジニアを抱えていない場合や、スピード感を持って立ち上げたい場合には、開発を外注するという選択肢が現実的です。

しかし、マッチングアプリは単なるアプリ開発とは異なり、ユーザーの体験設計・マッチングロジック・運用フェーズまで含めた全体設計の質が成果に直結します。

私たち「ななごー」は、野球ファン同士のつながりを促進するマッチングアプリ「ScoreBook(スコアブック)」の開発を通じて、企画・UI設計・技術開発・運用体制に至るまで、事業全体の設計に携わってきました。

この記事では、アプリ開発を外注しようと検討している方向けに、マッチングアプリ開発の進め方と費用の考え方を、実例を交えて解説します。

マッチングアプリを開発する前に知っておきたいこと

マッチングアプリ開発は「何を作るか」ではなく「どう設計するか」が重要

マッチングアプリは、SNSや情報提供型アプリと異なり、ユーザー同士の相互作用によって価値が生まれるサービスです。

つまり、単にプロフィール登録やチャット機能を用意するだけでは、ユーザーが「出会える」「続けたくなる」体験は設計できません。

本質的には、以下のような設計項目が初期段階で問われます。

  • どのような属性をマッチングの軸にするか(例:趣味・行動・エリア)
  • マッチング成立の条件は?一方承認型 or 双方承認型?
  • マッチ後のアクション設計(チャット開始条件、既読表示、通報など)
  • ユーザーが離脱しない導線設計(オンボーディング、通知設計、UIUX)

これらを“開発前”にしっかりと定義しておくことが、後の費用と工数の最適化に直結します。

マッチングアプリ開発の進め方【全体の流れ】

アプリの規模や目的によって、プロジェクトの進め方も大きく変わります

ここでは、ななごーで実際に行っている進め方に基づき、全体の流れを4フェーズでご紹介します。

① 企画・要件定義フェーズ

事業の目的・ターゲットユーザー・マッチングの定義を明確にしながら、以下のような検討を進めます。

  • ユーザーの課題とアプリが提供する価値
  • 必要な機能一覧と優先順位(MVP設計)
  • ユーザーの流入・定着を想定した施策(オンボーディング、通知設計など)
  • 他社との差別化ポイント

ここで決まった要件が、後のUI設計・実装・費用に大きく影響します。

② UI/UX設計フェーズ

マッチングアプリでは、初回利用時の直感的な操作性と、継続利用したくなる体験設計が欠かせません。

  • 画面構成(プロトタイプ・ワイヤーフレーム)
  • ユーザーフロー(登録→マッチ→やり取りの流れ)
  • 離脱ポイントの予測と回避策(入力負荷、通知など)

ScoreBookの開発時には、UIデザイナーとエンジニアが密に連携し、動線と設計を何度もすり合わせました。

このフェーズでどれだけユーザーの心理や行動を想像できるかが、“使われ続けるアプリ”と“一度使って終わるアプリ”の分かれ目になります。

③ 実装・開発フェーズ

設計が固まったら、いよいよ技術実装です。

ななごーでは以下のような技術構成を主に採用しています。

  • フロントエンド:Flutter(iOS/Android 両対応)、React Native
  • バックエンド:Firebase、Node.js、Laravel(PHP)
  • インフラ・運用:Firebase Hosting、AWS

アジャイル型で開発を進め、都度プロトタイプを共有しながらスピーディに改善ループを回す体制を取っています。

④ テスト・改善・初期運用フェーズ

リリース前のテストと、初期運用の動きも非常に重要です。

  • 機能テスト/負荷テスト/ユーザーテスト
  • バグ修正・改善提案
  • リリース後のユーザー動向の簡易分析(定着率、離脱率など)

ScoreBookでも、公開直後にユーザーの行動ログを見ながら改善サイクルを回す体制を取っており、リリース=ゴールではなく、改善の始まりという意識をもって伴走しています。

開発事例|野球観戦マッチングアプリ「ScoreBook」の設計と進め方

マッチングアプリ開発の実例として、ななごーが企画・開発を手がけた「ScoreBook(スコアブック)」をご紹介します。


このマッチングアプリの開発では、単なるマッチング機能の実装だけではなく、“野球観戦”という文脈に特化したユーザー体験の設計から、UI、スケジュール連動型の機能設計までを一貫して行いました。

開発背景|「野球応援」という共通体験を軸にした“出会い”

ScoreBookは、野球ファン同士が現地観戦や応援というリアルな体験を共有しながら、自然につながれる場をつくりたいという想いからスタートしました。

「現地観戦はしてるけど、周りに一緒に盛り上がれる人がいない」
「SNSではつながりにくいけど、球場で同じ空気を味わった人とは話してみたい」
といったニーズが、開発の出発点です。

そこで重視したのが、ユーザー同士が“同じ空間・同じ気持ち”を共有できる場所をアプリ上でどう設計するかでした。

設計のポイント|“自然なつながり”と“収益導線”を両立させる

ScoreBookでは、同じ野球チームを応援する“共通体験”を軸にしたつながりが特徴です。

この特性を活かすため、ユーザー同士が「今・ここ」でつながれる仕組みを中心に設計しています。

① 応援の文脈を見える化する設計

  • 推しチーム・選手の登録によって「共感」の起点を可視化
  • 観戦予定のスケジュール共有で「同じ空間にいる」接点を創出
  • 現地観戦の投稿が集まるタイムラインで“その場”の盛り上がりを共有

→ こうした文脈により、ユーザー同士が「共通の温度感」をもった状態で接点を持てるように設計されています。

② 行動設計とマネタイズの接続

ScoreBookでは、ただつながるだけでなく、「どう収益化するか」もUX設計と一体で構築されています。

無料会員でも“接点”が生まれる仕組み
  • ログインごとに「いいね」を付与し、継続利用を促進
  • 3いいねでメッセージ送信可能(=課金なしでも出会える)
有料会員には“効率性”と“深さ”を提供
  • 1いいねでメッセージ解放、詳細検索も可能
  • 毎月いいねが補充され、マッチングチャンスが継続的に提供される

ユーザーの行動の延長線上にある「次の一手」として課金が設計されているのが特徴です。

こうした構造により、ScoreBookでは“偶発的な共感”から“意図的なつながり”へ自然に遷移させる設計と収益化が両立されています。

技術構成と開発体制

ScoreBookでは、iOS/Android対応のクロスプラットフォーム開発を実現するために、以下の技術構成を採用しました:

  • フロントエンド:Flutter(高速開発・両OS対応)
  • バックエンド:Firebase(認証・DB・ホスティング)
  • その他:スケジュール管理、リアルタイム通知、画像投稿、チャット機能 など

UIUXデザインと開発はすべてななごー内製で完結し、デザイナー・エンジニアが一体となって要件設計〜実装までを遂行しました。

開発期間とスコープ

ScoreBookは、企画構想からUIデザイン、開発、初期リリースまで約5ヶ月間で構築。

段階的リリースを前提とし、以下のような優先順位でスコープを設計しました。

  1. MVP(マッチング/プロフィール/DM/スケジュール機能)
  2. 追加機能(タイムライン投稿/スタジアム別スレッド表示)
  3. 将来的なグロース設計(有料課金・イベント連携など)

マッチングアプリ開発の費用感と相場目安

マッチングアプリの開発費用は、その設計の深さ・機能の複雑性・セキュリティ要件によって大きく変動します。

たとえばScoreBookのように、「単なる出会い」ではなく“共通体験”を軸にしたマッチング体験を構築する場合には、以下のような要素が開発規模を押し上げる要因になります:

  • タイムラインやスケジュール、プロフィール情報の連動設計
  • 利用者同士の共通点を“気づかせる”ためのUI構成
  • 投稿やアクションの文脈に合わせた表示制御
  • 投稿データとスレッド表示の動的な管理 など

マッチングアプリ開発、どこに発注するべき?

マッチングアプリの開発は、単なる“機能の組み合わせ”ではなく、「誰の、どんな行動や感情をつなぐ設計にするか」が成功を大きく左右します。

そのため、依頼先を選ぶ際は金額や実装力だけでなく、「どこまで一緒に設計に踏み込めるか」を軸に考えるのが重要です。

参考までに、ケース別にどのような発注先を選ぶのが良いか一覧にしました。

発注先タイプ向いているケース特徴費用感の目安
ノーコード・ローコード開発ツール
(Bubble、Glide、Adaloなど)
実証実験やプロトタイプを低コスト・短期間で形にしたい機能制約があるため、カスタマイズや拡張には不向き〜300万円前後
フリーランス・小規模チーム要件が固まっていて、特定機能を実装したいスピード・価格に強み。設計の伴走は限定的〜500万円前後
中規模の受託開発会社仕様がある程度固まっていて、開発〜初期運用まで任せたい開発体制が整っており、技術的な信頼感がある500〜1,000万円前後
企画・設計から伴走できるパートナーアイデア段階から相談したい、設計と開発の両面を任せたい要件整理・文脈設計〜開発・運用までを一気通貫で支援800万円〜2,000万円以上

設計から一緒に考えたいなら、株式会社ななごーにご相談ください

マッチングアプリ開発は、単に“機能を作ること”がゴールではありません。

「どんな行動や感情を生むプロダクトにしたいか」という設計の部分に、どれだけ深く向き合えるかが、プロジェクトの成否を左右します。

株式会社ななごーは、要件が完全に固まっていない状態からでもご相談をお受けし、以下のようなフェーズを伴走型で支援しています。

ななごーで支援できること(一例)

  • アイデアの壁打ち・コンセプト整理
  • ユーザー体験設計(UX)・行動導線の設計
  • 要件定義・機能スコープの設計
  • UIデザイン・開発
  • テスト設計・初期運用支援

こんな方におすすめです

  • まだアイデア段階で、仕様や機能が固まりきっていない
  • 他社に相談したけれど、「要件をください」と言われてしまった
  • 予算内で最も効果的な機能を一緒に絞り込みたい
  • 実装だけでなく、「どう届け、使われるか」まで見据えて相談したい

ぜひお気軽にご相談ください。

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