
「検索で1位を取れば売上が伸びる」
かつては、そんな時代もありました。
しかし、いまWeb集客の現場では“SEO対策だけでは成果が出にくい”という声が増えています。
検索アルゴリズムの進化やAIによる要約表示(AIO:AI Overviews)の普及により、上位表示されてもクリックすらされないケースも珍しくありません。
さらに、ユーザーの検索行動そのものも変化しています。
「まずはGoogle」ではなく、「まずはInstagram」「まずはTikTok」といったSNSで情報を探す人も少なくありません。
つまり、これからの時代はSEO単体で成果を上げるのではなく、SNSと連動させた発信導線の設計が鍵となります。
本記事では、
- SEOが効きにくくなってきた背景
- SNSとSEOを掛け合わせるべき理由
- 具体的な施策例
などを解説しながら、いま見直すべき“Web集客の設計”について考えていきます。
検索上位に表示されても「クリックされない」時代

かつては、検索で1位を取ることがWeb集客の最重要課題でした。
検索順位が1位であれば、全体の3割以上のクリックが集まると言われていた時代です。
しかし今、その常識が大きく揺らいでいます。
AIによる検索結果要約(AIO)の登場
2024年から日本でも本格導入が始まったAI Overviews(AIO)では、ユーザーの検索意図に対してGoogleがAIによる要約回答を検索結果の最上部に表示するようになりました。
この要約があまりにも便利で完結しているため、ユーザーはその下にある通常の検索結果をクリックしなくなってきているのです。
たとえば、
- 「〇〇の使い方」
- 「△△のおすすめ」
- 「□□の違い」
といった情報収集型キーワードでは、AIOが答えを表示してしまい、通常のSEO施策では太刀打ちできなくなっています。
CTR(クリック率)は確実に下がっている
実際に、検索順位とクリック率の関係も年々変化しています。
特にモバイル検索では、
- 上部に広告(リスティング)
- AIOの要約ボックス
- マップ(ローカルパック)
- 強調スニペット
- 動画枠(YouTube)
といった「目立つエリア」が増えすぎて、通常のSEOでの上位表示が目立たなくなっているのです。
つまり、検索結果の“1位”にいても、それがユーザーの視界にすら入らないこともある。
これが、「上位表示されてもクリックされない」時代のリアルです。
“検索しない”ユーザーも増えている
さらに根本的な問題として、「Google検索を使わない」人も増加中です。
特に10代〜30代の若年層では、InstagramやTikTokが検索ツール化していることが、各種調査でも報告されています。
検索そのものをスキップされてしまえば、どれだけSEOに力を入れても意味をなさなくなってしまいます。
こうした背景から、「SEO=Web集客の中心」という前提が崩れつつある今、企業や個人事業主が見直すべきは“検索前後の導線全体”の設計です。
“SEO × SNS”の組み合わせで成果を出す方法
SEOとSNS、それぞれの施策には強みと限界があります。
しかしこの2つを戦略的に組み合わせることで、単体では得られなかった成果を生み出すことが可能です。
ここでは、「検索流入を最大化しながらコンバージョンを高める」ためのSEO × SNS連動施策の考え方と実例をご紹介します。
SNSからの“プレ認知”が指名検索を生む
SNSでの定期的な発信を通じて、ユーザーにブランドやサービスの存在を認知してもらうことで、
- 「そういえば前に見たあれ、検索してみよう」
- 「あの会社なんて名前だっけ?調べてみよう」
といった検索行動のきっかけを生み出すことができます。
このような指名検索は、SEOの中でも競合性が低く、CV率が高いキーワードとして非常に重要です。
SEOコンテンツをSNSで“再活用”する
一度作成したSEO記事やブログ記事を、SNS上で再活用することで、
- SNSから記事への導線を作り
- 記事自体の評価(被リンク・滞在時間)も高まり
- 検索順位の安定にも寄与する
といった相乗効果が得られます。
たとえば、
- 記事の一部をInstagramのスライド投稿に
- 記事の結論をX(旧Twitter)で要約+リンク
- ストーリーズで「記事を読んだ人の声」などUGC的投稿
など、複数チャネルで再設計することが可能です。
SNSが拾う“非検索ユーザー”の存在
検索は「問題に気づいた人」の行動です。
しかし、SNSでは「まだ悩みに気づいていない層」や「なんとなく眺めている層」にもリーチできます。
この“非検索層”に先回りして接点をつくることで、
- 新たな興味を喚起し
- SEOに載らないキーワードで流入を生み
- 検索しないユーザーにもブランドを想起させる
といった、検索を補完・拡張する役割が果たせます。
SEOとSNSのKPIは「役割分担型」で見る
- SEO → 中長期での安定的な流入・検索ボリューム強化
- SNS → 初期の認知・拡散・エンゲージメント獲得・検索喚起
このように、両者に異なる役割とKPIを設定することで、施策全体としてバランスの良い集客基盤が築けます。
チャネル | 主な役割 | KPI例 |
---|---|---|
SEO | 検索流入・CV獲得 | セッション数、CV数、滞在時間、検索順位 |
SNS | 認知拡大・検索喚起 | リーチ数、エンゲージメント率、プロフィール遷移数、ブランド検索数 |
つまり、「SEOとSNS、どちらを優先すべきか」ではなく、
「検索で成果を出すためにSNSを使う」という発想が重要です。
検索前、検索後、どちらの導線にもSNSは活用できます。
そして、それらを繋ぐことで、ユーザーとの接点は“点”から“線”へと広がっていきます。
まとめ

「検索対策をすれば成果につながる」——そんな方程式は、いまや通用しなくなっています。
検索行動が多様化し、AIによる要約表示やSNSの情報収集化が進んだことで、「SEO対策だけでは成果につながらない」現実が見えてきています。
この記事で見てきたように、
- 「SEO対策」と検索する人の多くは、集客や売上改善への強い意欲を持っている
- しかし、検索だけではユーザーとの接点が不十分で、機会損失が起きている
- SNSと組み合わせることで、“検索される前”と“検索された後”の導線を設計できる
- 実際にSEO × SNSを掛け合わせることで成果を出している企業も増えている
という状況の中で、これからのWeb集客に必要なのは「検索エンジン最適化」ではなく「SNSを含む情報導線最適化」です。
結果を出したい人こそ、SNSを始めるべき
SNSは、単なる広報ツールではありません。
むしろいまは、検索を補完し、検索で成果を出すための“布石”としての役割を担っています。
もし今、
- SEOで思うような成果が出ていない
- 記事を書いても問い合わせが増えない
- 指名検索やブランド認知が弱い
と感じているなら、それはSNSを活用して“検索行動”そのものを設計すべきタイミングかもしれません。
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