
「応募数」をKPIにしていませんか?
求人広告を出しても応募が来ない。
来たと思えば、自社の価値観とまったく合わない人ばかり――
そんな悩みを抱えている採用担当者の多くが、「応募数」だけを採用活動のKPIとして追っているという共通点があります。
もちろん、ある程度の母集団は必要です。
けれども本当に重要なのは、“応募の質”や“入社後の定着・活躍”ではないでしょうか。
採用で本当に大事なのは、“自社に合う人”と出会うこと
いま、求職者の行動は大きく変わっています。
彼らは求人票だけでなく、SNSや企業サイトを通じて「どんな人が働いているか」「どんな雰囲気の会社か」を丁寧に調べています。
つまり、自社のことをよく知った上で“共感”して応募する時代なのです。
採用サイトの役割は、“共感”を届けるメディア
採用サイトの本当の役割は、「情報を並べる」ことではなく、
企業の価値観・空気感・人となりに“共感”してもらうことにあります。
それはまるで、“自社というブランドを伝えるミニメディア”。
事実だけを伝えるのではなく、「こんな会社で働きたい」と思わせる体験を届ける場に変えていく必要があります。

採用戦略における共感設計のために必要な3つの要素
① ストーリーテリング(理念・人・働き方)
どれだけ制度や待遇を整えていても、それだけで「この会社に入りたい」とは思われません。
応募者が気になるのは、「どんな人がいて、どんな想いで働いているのか」。
社員インタビュー、1日の流れ、入社理由など、人のストーリーこそが共感を生み出します。
② ペルソナ設計から逆算する情報構成
すべての求職者にウケるサイトを目指すのではなく、
「この人に来てほしい」という明確なペルソナを設定し、その人が知りたいことを中心に情報設計を行うのが鉄則です。
たとえば若手を採りたいなら、仕事のやりがいやキャリアパスを丁寧に伝える。
家庭持ち層を狙うなら、働き方の柔軟さや福利厚生を強調する。
採用サイトは、相手に合わせて“話しかける”設計であるべきです。
③ SNSやショート動画との連動導線
共感を生むには、一度だけの接触では不十分。
InstagramやTikTokなどのSNS発信とサイトを連動させることで、継続的な“共感接点”を生み出すことができます。
特にショート動画は、雰囲気や人柄をダイレクトに伝えられる手段。
「なんとなく気になる」から「この会社に応募したい」への橋渡しとして、SNS導線は今後ますます重要になります。
実例紹介:共感設計で応募が変わった企業の声
▶︎ 採用サイトで“空気感”を伝えた、菊川工業株式会社様のケース

老舗金属加工メーカーの菊川工業株式会社様では、「まじめで人がいい社風」が伝わらず、
応募が集まりにくい課題を抱えていました。
そこで、社員インタビューや動画を積極的に取り入れ、“働く人たちの言葉”で価値観を語る設計にリニューアル。
結果、サイトを見た求職者からは「雰囲気がわかりやすく、親しみやすかった」と好意的な声が届くように。
採用担当者からも、「面接の段階で、会社の理解度が高く、話が深くできるようになった」という声がありました。
▶︎ SNSで翻訳者の“参加意欲”を起点にした、翻訳者ネットワーク「アメリア」様のケース

翻訳者・通訳者と企業をつなぐマッチングサービスを展開する翻訳者ネットワーク「アメリア」様。
従来の求人広告やメルマガ施策に加え、Instagramを活用した新たな母集団形成に取り組んでいました。
中でも特徴的だったのが、「翻訳コンテスト」を起点とした参加型キャンペーンの設計です。
フォロワーに向けて翻訳のお題を出し、応募者の中から優秀作品を表彰するというこの企画は、
翻訳者にとっては「腕試しの場」であると同時に、「企業とつながるきっかけ」にもなっています。
「Instagramを見て初めてサービスを知った」
「応募してみて、仕事や講座にも興味が湧いた」
といった声も届くようになり、自然な流れでの会員登録への転換が生まれています。
さらに、求人サイトSEOの観点でも「翻訳 求人」や「翻訳 年収」といった検索キーワードで順位が圏外から上昇し、
Web全体での“認知→共感→登録”の流れを強化する成果につながりました。
共感設計は小さく始められる。まずはここから
本記事では、「応募数」ではなく「共感」を軸にした採用サイトとSNS活用の考え方をご紹介してきました。
採用サイトは“共感を届けるメディア”、SNSは“継続的な接点”として機能させることで、
ただの流入ではなく、「自社に合う人と出会う」採用へと変化させることができます。
「採用サイトの設計なんて大がかりで無理」
「うちはSNSもやっていないし…」
そんな声もよく聞きます。
でも実は、共感設計は小さく始めることができます。
たとえば──
- 1本の社員インタビュー記事から
- 1枚の写真をSNSに投稿するところから
- LP的に構成された小さな採用ページから
“媒体費”にお金をかけるのではなく、“共感設計”に時間をかける。
その投資は、きっと採用の未来を変えるはずです。
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ななごーでは、採用サイト設計 × SNS設計 × 採用代行を掛け合わせた「共感採用支援」を提供しています。
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