後継者・幹部候補採用の新手法。中小企業の社会人インターンシップ活用

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中途採用に広がるインターンシップ

政府が従来学生中心であったインターンシップ(就業体験)を中途採用に広げる取り組みを進めていくそうです。
企業の中高年社員や、社会人大学院の修了生などが対象になる模様です。

社会人が大学で学び直し専門性を高める機会の多い海外では、中途採用のインターンシップは従来から良く見られました。
その典型例がMBAで、インターンシップを経験して自身の市場価値を高め、新たなキャリアを築いていくといったものです。
(なお、MBAについては日本でもコンサルティング企業などへのインターンは行われています。)

上記を見ると海外の一部の例のような印象を受けますが、日本ではキャリア形成上近いものとして「出向」がありました。
金融機関の若手職員や公務員が研究所に出向するなど、一部の専門職については
「現職でのキャリアに軸足を置きながら、違うキャリアを経験する」という効果があったと思われます。

ただ、一般的には日本で社会人が一度現在のキャリアを離れ、別のキャリアを試してみるという選択肢は
難しいと言わざるを得ません。転職まで行かなくても、よりカジュアルに自分の力を試したい、
キャリアチェンジを図りたいが適性があるのかどうか不明確などの不安に対し、受け皿がないのが現状です。

そんな中で、あらゆる企業が力試しをしたい優秀な社会人インターン生を受け入れられる方向に進む
今回の動きは歓迎すべき動きであると言えるでしょう。
インターンシップは、候補者の職業遂行能力を観察できることから将来の活躍度合いを推測しやすく
一方の求職者も就業体験を通じて適性やキャリア観を描きやすいといえるからです。

中小企業が社会人インターンの恩恵を受けるには?

そこで、中小企業も社会人インターン生受け入れのメリットを得たいところですが、
貴社にもこんな課題があるのではないでしょうか?
1)現場には未経験者を育てる余裕がない。
2)大手企業が実施しているようなプログラムを企画できない。
3)そもそも優秀な人材を惹きつけられない/自社に就職してくれない

これは従来インターンシップが新卒中心であり、皆結局は大企業に流れてしまうほか、
また学生の受け入れは複数名が多く、小さな組織での受け入れは難しいといった事情がありました。

そこで上記の課題を逆手にとって、
「後継者候補・経営幹部候補探しとしてのインターンシップ」はいかがでしょうか。

社会人インターンシップが貴社の幹部候補探しに有望な理由
1)新しい取り組みである社会人インターンに参加するのは、主体的に動ける人材の可能性が高い

中途採用のインターンシップはまだまだ珍しく、自分にはできないと考える人たちも多いと考えられます。
そのような状況でも、自らの置かれた環境から一歩飛び出ようという思考を持つ人たちの中には、
主体的・意欲的な人材も多く含まれていると考えられます。
したがって、うまく設計すれば組織に余裕がなくても素早くキャッチアップしてくれる可能性があります。

2)奇抜な企画力はいらない。社長や経営陣との議論そのものが最高のケースワークになる。

学生インターン生を受け入れる場合は、教育担当人員を製造や営業の現場からアサインし、
企画を練り、継続的にケアをしていく必要があります。しかし、後継者候補を鍛えるという場合であれば
社長や経営陣、役職者が直接議論をする形式も可能です。奇抜な企画よりも、むしろ経営の最前線に立つこと
そのものがインターン生にとって最高の環境になるのではないでしょうか。

3)大手企業には提示できないポジションであるため目立ち、応募が来る。

通常の採用活動では大手企業に埋もれてしまう中小企業の求人ですが、
社会人インターンの形をとることで一歩抜けだすことができます。その理由は、
1)一般の求人に比べ、社会人インターンは全体の募集数が少ない。
2)後継者・幹部採用という重要ポストであり、大企業に負けないやりがいがある
ということが挙げられます。

では優秀な人材を貴社に惹きつけるために、どのようなアピールが可能なのでしょうか。

特に後継者・幹部候補採用という観点から考えると、下記の三点が考えられます。
1)大企業ではありえないほどの経営との近さ、濃密さ
2)短期間に経験できる職務範囲の広さ
3)上記から得られる人材としての成長

従来難しいと思われている中小企業の後継者・幹部候補採用ですが、就職市場も徐々に変わりつつあります。
是非このトレンドを活かして新たな施策を打ってみてはいかがでしょうか。